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 ダイオキシンと母乳の問題







ダイオキシンと母乳の問題を、どう見るか。


 母乳にダイオキシンが検出されているという話が、マスコミを賑わせています。このニュースは母乳をあげている母には、大変大きな問題。ある調べによると、全国各地から無作為に抽出した授乳中の母親50人の母乳を検査した結果、程度の差はあれ、すべての母乳にダイオキシンが検出されたとのこと。都会に住む人、地方に住む人、関係なくダイオキシンは含まれていたとか。
 しかし、ここで自分の母乳にダイオキシンが含まれていることがわかっても、自分の力ではどうにもならないのが、歯がゆいところ。いくらがんばってみても、母乳のダイオキシン濃度は自力で下げることはできないのです。
 ダイオキシンとは、ポリ塩化系物質で、地上最強といわれるほどの毒性をもち、ごく微量であっても長く摂取し続けると、ガンや奇形をひき起こす原因になると言われています。分解しにくいために、からだの外に排出しにくく、からだに長年に渡って蓄積してしまいます。

 今、多く話題になっているのは、ごみの焼却問題。塩素を含むプラスチックなどの物質を燃やすときに、発生するというものです。しかし、こうした空気中のダイオキシンが呼吸によってからだに入るのは、ごくわずかで、多くの場合、人間は食べ物によってダイオキシンをからだに摂取しています。  ダイオキシンに汚染された小魚を食べた魚を人間が食べる、ダイオキシンに汚染された飼料を食べた家畜の肉を人間が食べる。その母親のからだに蓄積されたダイオキシンが、母乳に含まれて出ていく。こうした植物連鎖が重なって、最終的に赤ちゃんのからだに移行したときには、濃度も高くなっているという、実にこわ〜いお話。
 あるテレビニュースでは、自分の母乳からダイオキシンが出るのが不安だと、授乳をやめた母親が出ていました。彼女は「毒を子どもに上げたくない」とコメント。こうした選択をせざるを得ない環境の中で人間が生きる時代になってしまったのだなあと、つくずく思います。
 一方、母乳を推進している母親たちのグループや、熱心な医療者たちは「母乳にダイオキシンが含まれているとマスコミは騒いでいるが、やみくもに騒ぐのではなく、はっきりとしたデータをもっと出して検討が必要。おっぱいには、栄養以外にも多くの要素があり、すぐに母乳をやめてしまうのは早急過ぎる」という声も聞こえます。
 もちろん、そう考える人もいるでしょう。母乳をやるのも、やらないのも、人が決めることではなく、自分が決めること。これは、生き方なのですから。

 「母乳にダイオキシン」といことは、地球がどんどんかなしい状況になっていっているという証でもあります。これは、今後、その地球の上で生きていく自分や子どもたちのために、どのような生き方を選択していくのか、を問われていることにもなるのです。
 大変ですががんばって。熱が出て乳腺炎になると大変。



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